相続人に行方不明の人がいるのですが、相続の手続きはどうすればいいですか?
相続人に行方不明や生死不明の人がいる場合
その行方不明や生死不明の相続人をのぞいて、遺産分割協議をして、相続手続きを進めることができません。
その相続人に対して、失踪宣告の審判、もしくは不在者財産管理人の選任というどちらかの方法をとることになります。(どちらも家庭裁判所への申立が必要です。)
◇ 失踪宣告
行方不明者の相続人の生死が、7年間以上不明の場合、例えば、家出などによりどこに行ったかわからず、その生死もわからない場合、家庭裁判所に対して、失踪宣告(しっそうせんこく)の申立てをすることができます。
船や飛行機の遭難、その他地震や火災など危難が去った後、その生死が1年間明らかでない人についても、失踪宣告の申立てをすることができます。
その行方不明者(失踪者)について失踪宣告がされると
生死不明になってから(最後に消息を絶ってから)7年間経過したとき、地震などの場合は、危難が去ったときに、その行方不明者(失踪者)は死亡したものとみなされます。
その後、行方不明者(失踪者)について相続が開始します。
※失踪宣告の手続きは概ね1年ほどかかります。
◇ 不在者財産管理人の選任
行方不明の相続人がどこかで生きていると仮定して、利害関係人の申立てによって、行方不明者に代わって財産を管理する管理人(不在者財産管理人)を家庭裁判所に選任してもらいます。
財産管理人は、行方不明者(不在者)の財産を管理するために選ばれます。
財産管理人は遺産分割協議をしたり、不在者の財産を処分することは権限外になりますので、財産管理人は、家庭裁判所の許可を得て、遺産分割協議に加わります。
原則、財産管理人には、不在者(行方不明者)の法定相続分を確保する必要があります。行方不明者の相続人には、相続財産を渡したくないと相続人間で考えたとしても、そういった遺産分割協議をすることはできませんので、ご理解ください。
※不在者財産管理人の選任の手続きは1ヶ月~3ヶ月ほどです。
家庭裁判所への失踪宣告、不在者財産管理人選任申立てのお手伝いをさせていただいております。遺産分割協議書の作成も承っております。
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